活動報告
加須市行政手続きにおける情報通信の技術の利用に関する条例の一部を改正する議案に「反対」(討論2026年9月09日)
登記事項等の添付書面を省略できるようにして行政手続きの利便性を向上させたいという趣旨ですが、登記情報は国の保有する情報なので本市のシステムとのデジタル連携が必要になるという認識です。つまり、システム改修が伴う内容ですので、今のタイミングでこのテーマに沿ったシステム改修をやらなければならないのか、という視点が必要だと考えました。やはり、「慎重になるべきである」という理由があるので述べさせていただきます。
理由として4点、申し上げます。
1.国の標準仕様の押し付けの問題です。2000年施行の「地方分権一括法」で国と地方は対等であるという大原則を貫くことが国の本来の決まり事となっているのです。国の中央集権化を促す方策には慎重になるべきです。地方が地方の状況に応じて条例を作成して住民を支えていくのが当然で、本当に加須市にとって必要不可欠なのか丁寧に検討するべきです。
2.本市の現状として、ガバメントクラウドへの移行は途中段階だということです。
今年6月発表のデジタル庁の調査結果によると、政府が当初掲げていた目標期限(2025年度末)までに、対象となるシステムの移行をすべて完了できなかった自治体は全国で「1,015団体」と、半数以上(56.8%)に上っていて、本市はその一つです。
ですが、私はそれを評価しています。完全に移行を済ませた自治体の中では運用費用が下がるどころか大幅に上がってしまったという想定外の出来事に頭を抱 えている自治体もあります。
デジタル庁自らが「自治体情報システムの標準化・ガバメントクラウド移行後 の運用経費に係る総合的な対策」を発表していて、これは現状の「問題を認めた上」での発表です。
加須市民の皆さまに対してもこういった情報を提供し、理解を求めるスタンスをとるべきではないかと考えます。
3. ITエンジニア(ベンダー)の不足がもたらす悪影響があります。全国約1,700の自治体が、わずか数年の短い期間で一斉にシステムを発注したため、システム開発会社のSE(システムエンジニア)のキャパシティが全く追いつけません。こういう状況では市の担当職員が時間をかけてITエンジニアの説明を聞けないという課題が見えてきます。これも市民にとって良いことではありません。
4. 期限延長という国の方針に着目しましょう。政府は、どうしても間に合わないシステムを「特定移行支援システム」として個別に指定し、最長で2030年度末までの期限延長(猶予)を認める方針に転換しています。また、国の標準仕様書の変更もこれまでに何度かあったという事を鑑みても、本市はここで一呼吸をおくべき時です。
以上、4つの理由から、デジタル基本法の規則に準じた条例改正を、今、やらねばならぬ必要はなく、むしろ、慎重なスタンスをとるべきと判断いたしまして、第82号議案は反対といたします。